木下麦 × 此元和津也 × CLAPの新作オリジナルアニメ映画『ホウセンカ』アヌシー国際アニメーション映画祭2024「Work in Progress」プログラム参加レポートが到着。

June, 14, 2024 / INFO

予測不能なストーリーで話題を呼んだオリジナルTVアニメ「オッドタクシー」を手掛けたクリエイタータッグ・木下麦 (監督・キャラクターデザイン) × 此元和津也 (脚本) と、国内外の映画祭で注目を集めた「映画大好きポンポさん」「夏へのトンネル、さよならの出口」を手掛けた制作スタジオ・CLAPによる、新作オリジナルアニメ映画『ホウセンカ』が現在制作中です。

本作は6月10日より開催中の、アニメーションシーンで世界最大規模として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭にて、監督をはじめとしたスタッフ自らが制作中の作品について語るプログラム「ワークインプログレス」に選出。フランス現地時間12日に監督・キャラクターデザインの木下麦、コンセプトアートを担当したミチノク峠さん、そして制作スタジオCLAPのプロデューサー松尾亮一郎さんが登壇しました。

現地の様子のイベントレポートをお届けします。会場の臨場感が伝わってくる写真と合わせてご覧ください。

 

– 監督・キャラクターデザイン:木下麦
https://www.pics.tokyo/member/baku-kinoshita/

– 原作・脚本:此元和津也
https://www.pics.tokyo/member/kazuya-konomoto/

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今回ワークインプログレスに選出された長編映画、全14作品のうち、日本からの作品はわずか2作品。注目度が高く、当日会場には入場を待つ人々が長蛇の列を成した。満席となった会場には現地でアニメを学ぶ学生や若手クリエイターを中心に、熱心なアニメファンが集い、熱気に満ちあふれた。

オリジナル作品ということもあり、その内容は謎に包まれている本作。「オッドタクシー」以降、初の長編作品を手掛ける木下監督は、企画の始まりについて、「「オッドタクシー」の制作を経て、次回作では「ヤクザもの」や「人の道を外れたキャラクターの物語」を描きたいと思っていました。脚本の此元さんとも良好な関係だったので、また一緒に作品を作りたいと思い、僕の方から此元さんに簡単なシチュエーションのアイデアを文章で5つくらいまとめて此元さんに相談して、話を作っていきました」と語った。

また、今回、アニメスタジオCLAPと木下監督は初めて共に長編作品を制作する。CLAPの代表取締役でありながら本作のプロデューサーを務める松尾は、木下監督のキャラクターデザインについて「「オッドタクシー」を観ていた時からオリジナリティがあると思っていました。一度見たら忘れない、印象的なデザインで、キャラクターの描き分けもできていて、それぞれの性格も見えてきます。図形をベースにして描くなどアプローチも面白くて、今回の作品で新しいものづくりができるんじゃないかなとワクワクしたのを覚えています。ストーリーと紐づけて練って作られているのも素晴らしいですね。当初、監督にはキャラ原案だけ担当頂いて、キャラクターデザインは別の人を起用する案もあったんですが、ここまで描けるのであればその必要はないなと思いました。」とその魅力を、熱とともに伝えた。

共にステージに登壇した、コンセプトアートを担当するミチノク峠も木下作品には初の参加となる。参加の経緯について「シナリオがある程度形になっていた頃に、木下監督からお声がけ頂いて、コンセプトアートという役割でイメージボードを描くことになりました。」と話した。
作品の情報解禁時に使われたイメージビジュアルが本作の最初のイメージボードだったという。木下監督は「もともとミチノクさんのファンだったのでお声がけしたのですが(このイメージボードを)最初にみた時点で、求めていたものに98%近かったです。お願いして良かったと思いました。」と絶賛していた。

プレゼンテーションでは制作中のキャラクターデザインをはじめコンテ、イメージボードなやテストカットなどが披露され、終了後には観客とのQ&Aが実施された。それぞれ影響を受けた作品から制作における技術的な質問まで、時間が足りなくなるほど多くの質問が寄せられた。
最後に木下監督と松尾プロデューサーが「来年またアヌシーに戻ってきます!」とステージから客席に向かって声をかけ、大きな歓声が上がった。終了後は、登壇の3人を多くのファンが囲み、完成を心待ちにする思いを伝える一幕もあった。

ワークインプログレスが行われた会場での熱気はもとより、今回のアヌシー国際アニメーション映画祭参加に合わせて、海外メディアからの取材も数多くオファーを受けていることから、本作の海外からの注目の高さが伺える。
現在絶賛制作中ということで国内、そして世界での公開はまだ未定だが、完成を楽しみに今後の展開にぜひ注目したい。