2020年3月、横浜市みなとみらいに開業した東急REIホテルのエントランス/ロビーの空間演出映像を制作しました。
「月」をコンセプトにしたホテルであること、また、水辺に近い横浜という土地からP.I.C.S. TECHでは「流体」というテーマを提案。その2つのキーワードを元に表現したホテルアートです。
横浜の街を多角的に切り取った実写風景の写真や動画が、ホテルのロビーに設置された"月の引力"によって美しく変化をし続けます。
実写風景の写真が月の引力によって変化していくデータアートの変数は、横浜の風速データを元に設定しました。
また、写真素材を撮影した際に収録した音源が、その風景と共に再生され、更には満ち欠けをシミュレーションした美しい月が現れる瞬間が訪れます。
実際に撮影したさまざまな素材を掛け合わせて使用することにより、ホテル内でも横浜の街の空気感を五感を通じて感じられるよう工夫を施しました。
データビジュアライズの手法として、実写風景のピクセル群から400万個のパーティクルを発生させた流体シミュレーションを行っています。
実写素材の数は100点近くあり、使用される素材によってビジュアライズのデザインが毎回変化します。
また、その日の天気や時間帯に応じて選ばれる実写素材が選ばれています。そのため、同じ瞬間のない、常に変わり続けるデータビジュアライゼーションの表現を実現しました。
横浜の風速データを受けリアルタイムにジェネレイト
今回、TouchDesignerとNOTCHというツールを連携させて使用しました。
TouchDesignerが天気APIを用いたデータ取得・解析や月のシミュレーション、NOTCHが描画する上での流体やパーティクルシミュレーションを行っています。
2つのツールを連携させるため、NOTCHからdll形式でTouchDesignerに渡し、TouchDesigner内でNOTCH.dllのパラメータを制御する構成となっています。