amazarashi「名前」

amazarashi "Name" MV

BACKGROUND

牧野惇がamazarashiのMVを制作。今回の作品についてインタビューを行いました。


—— 曲や歌詞にはどんな印象をうけましたか?

非常に具体的でストレートな力強い歌詞だと思いました。
最初に依頼を頂いてから曲を聴き構成を考え始めるのですが、浮かんでくるイメージが歌詞のままのイメージだったので、これはイメージの変換作業が必要だなと思ったことを覚えています。


—— ろうそくの火を持った手が様々なシーンを照らしていく光と影が印象的な作品ですが、この世界の背景やコンセプトなどがあればお聞かせください。

適した名前を付けられるべく、「自分を知る」というコンセプトが浮かびました。
自分のことは自分が分かっていると思いがちですが、心理学用語に「ジョハリの窓」というものがあるように、自分が知っている自分は、実は自分のほんの一部だったりするんです。
自分にはどんな名前が付けられるべきなのか、自分でそれを探すという内容にしました。
暗闇で自分が照らし出す手元しか見えないという行為が、「探す」というアクションをより強く印象付けています。電気で作られる光よりも、本当の「炎」を使うことで、より有機的な印象が得られました。


—— 制作期間を教えてください。またどのような体制で制作しているか教えてください。

構想から含めて約1ヶ月です。
制作体制ですが、デザイン、ディレクション、アニメーション、編集は僕がやります。
色々な美術素材はP.I.C.S.のスタッフと共に制作していきました。カメラマンは藤岡大輔さんにお願いしました。

VIEW POINT

—— メイキングを見ると牧野さん自身が人形を動かしているのですね!特に注力した点や苦労した事など、撮影現場でのエピソードがあれば教えてください。

「手」に関しては実はこだわりがあります。ギターでもピアノでもダンスでも、非常に上手なものを見ていると力が入っていないように見えます。僕の手を出すときは力が入っていないように見えるように意識しています。ですがこれは人に伝えづらいことなので自分でやってしまいます。撮影の際、手と指の毛は剃りました。
今回の主役は「炎」ですので、冷房のちょっとした風で炎が踊ってしまいました。ですので、締め切った部屋で冷房を切って撮影したのが辛かったです。



—— 最近の作品では実写とアニメを融合させた表現が多く見られますが、映像表現として、こだわりや目指すものなどがあれば教えてください。

実は最近に限らず、今まで頂いた仕事で完全にアニメーションで!という依頼が無い場合は何かしらの別の表現を意識的に組み込んでいたんです。もともとは手描きアニメーションが好きなのですが、限られた表現だけで考えると制作に関して視野が狭くなってしまいます。自分の領域から半歩外に出た表現を取り入れることで柔軟に色々なアイデアが湧いてくることに気が付きました。
仕事柄、アニメーションと見るとループポイントなどを探してしまいます。実写にはそれが無く、常に移ろう時間が見て取れるので、時間の感覚が非常に有機的に見えるというところに魅力に感じ、興味を持っています。まだ実写は始めたばかりなので、自分のスタイルを探りつつ勉強していこうと思いますが、アニメーションという要素は失わずにやっていこうと思っています。



—— 最後に、影響を受けた作品や作家などありましたら教えてください。

影響を受けた作家さんや作品は本当に沢山です。
特にビートルズの「Yellow Submarine」は20歳の時に初めて見て以来、何度も何度も繰り返し見ています。


Client
Sony Music Associated Records / Rainbow Entertainment
Release
August 2015
Website
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Services
ミュージックビデオ

Credit
  • Director :牧野惇
  • Producer :松居秀之